安価で強力、バストを大きくしたスーシーをやめた理由
当初は、コスパが高く女性化の効果も大きいスーシーを朝晩の2回で服用していたのですが、これが肝機能の数値の悪化を招いたことから急遽、「クリマラ」+「マレフェMTF」のセットへと変更いたしました。
「スーシー」は「ダイアン」のジェネリックで最も安価で強力、卵胞と黄体ホルモンの合剤であり1錠を飲むだけで両方を短時間で摂取できることから手間もなく、非常に扱い易い女性ホルモン剤です。しかし、経口薬はINとOUTの2回肝臓を通過することから肝臓へ大きな負担をかけること、バイオアベイラビリティ(吸収率)が45%と半分以上は失われてしまいます。
また、スーシーやダイアンの成分であるエチニルエストラジオールと酢酸シプロテロンは構造を天然物質に似せて作られた人工的な合成物質であるため、肝臓で分解されにくいことが経口にしては高い吸収率の理由で、その分肝臓への負担も大きくなっています。
そのため、効果はエチニルエストラジオールはクリマラのエストラジオール(卵胞ホルモン)の100倍、酢酸シプロテロンはプロベラのメドロキシプロゲステロン酢酸エステル(黄体ホルモン)の12倍の強さがあります。その分だけ、バストの成長などの女性化は早く加速しますが、引き換えに肝臓を壊してしまう可能性を含んでいるというわけです。
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第3世代ピル「スーシー」最も安く最も強力な女性化の効果
強力な女性化効果が得られる合剤ピル MTFが女性化を希望する場合に使用する際のピルは、「プレモン」+「マレフェ」が効果と ...
スーシーを服用中は常に頭痛と嘔気に眠気があり、下肢浮腫もあったことから作用としてはオーバーの状態にあったと判断できます。その分、バストには常に成長痛があり、半年でAA→Aと成長したことから育乳はここまでは早く進行したかとは思います。
経皮吸収タイプをお勧めできる優れている部分
卵胞ホルモンで一般的なのは「プレマリン(プレモン)」で、天然ホルモンの結合型エストロゲン(エストロン硫酸エステルナトリウム)になります。ところが、これの半減期が6時間と短く24時間で血中濃度を維持するためには6時間おきに1日4回も服用しなければなりません。通常の生活の中で、これは大きな負担になります。
仕事の都合や食事の時間がずれるなどで服用を忘れてスキップしてしまいますと、血中濃度が下がりホルモンバランスが崩れて更年期障害のような症状が出てくることがあります。
そこで、血中濃度を安定化させるのが経皮吸収タイプです。塗るクリーム/ジェルタイプと貼るパッチタイプがあります。クリマラは、そのうちの貼るパッチタイプになります。
塗るタイプの半減期は24時間であることから、入浴後に1日1回塗るのが使用法です。毎日入浴後に塗ればよいとはいえ、仕事で帰宅が遅かったり疲れていたりしてそのまま寝落ちしてしまうことも無きにしもあらず。そういう塗り忘れた時には、血中濃度が下がり頭痛やイライラといった更年期障害の症状が出ることがあります。この「毎日」というのが、意外と負担にもなってきます。
この負担を軽減してくれるのがパッチタイプで、一度貼れば3~4日はそのままで製品によっては1週間交換の必要がありません。(デメリットは後述)
これらクリーム&ジェルタイプとパッチタイプは、皮膚から成分を吸収するため直接血中へ投与されます。このため、肝臓を通過するのは排泄されるOUTの1回のみとなり、肝臓への負担はかなり軽減されます。また、肝臓通過が1回なのは血栓症のリスクも軽減、女性ホルモンは肝臓を通過する際に血液凝固系を活性化してしまうためです。
医療機関の注射よりも優秀なパッチタイプ
通常、医師の管理下にある女性ホルモン治療ではデポー注射を使います。注射で使うホルモン剤は、「プロギノン・デポー筋注」「ペラニンデポー筋注」と呼ばれエストラジオールをエステル化させたエストラジオール吉草酸エステルや吉草酸エストラジオールで、体内に入るとエステル基が切り離され少しずつエストラジオールとなり、血中へ溶け出していきます。
これに対してクリマラパッチは皮膚からエストラジオールを吸収、こちらも時間をかけてジワジワと血中へ吸収されることから血中濃度をほぼ一定に保つことができます。注射のバイオアベイラビリティ(吸収率)がほぼ100%なのに対して、パッチは82%という経口薬とは比較にならないくらいに高い吸収率が魅力です。
ただし注射の欠点として、注射直後の血中濃度は高いがその後の落ち方は激しいこと、この変動が大きいことで副作用が大きく出ることがあります。これに対してパッチはジワジワと吸収されますので、ほぼ一定の血中濃度を昼夜問わずに維持することが可能です。
注射と同等の性能を、個人輸入で医師の処方なしに扱えるという点で、パッチは非常に優れているわけです。これが人気の秘密でもあり、ゆえに頻繁に売り切れとなっている状況を見かけます。
クリマラパッチはどのサイズを選べばよいのか
クリマラには50と100、同じエストラジオールが成分のダーメストリルには25/50/75/100というサイズがあります。
この「100」という数字は、24時間中に100μgを吸収するという意味で、1,000μgが1mgです。
・クリマラ100はパッチ1枚にエストラジオール7.6mg
・クリマラ50はパッチ1枚にエストラジオール3.8mg
仮にクリマラ100が在庫無しで購入出来なかった場合には、クリマラ50を2枚貼れば100と同等の効果となります。逆にクリマラ100を半分に切れば50になります。
では、クリマラ100では女性ホルモン値はどのくらいの血中濃度になるのでしょうか。一般的な純女性の卵胞ホルモン値は「16~331pg/ml」(1000pgで1ng、1000ngが1μg)となり、MTFが女性化のために必要な数値は「20~200pg/ml」とされています。
先ほど↑のグラフを見ていただきますと、臀部にクリマラ100を貼った場合に2日目までが150pg/mlを最高値として、以降は徐々に下がりながら100pg/ml前後を維持していることが判ります。腹部は、少し下がり20pg/mlくらい少なくなるようです。
クリマラ50では、2日目までが50pg/mlを最高値として40pg/ml前後を緩やかに落ちていき、6日目では35pg/mlと20pg/mlをギリギリのラインであることが判ります。
女ホルの血中濃度は高ければ効果が強く出るというワケでもないため、高い数値を目指す必要はありません。このグラフを見ると、クリマラは50でも35-50pg/mlの範囲に入っていて女体化の効果としては十分と言われており、100は過剰投与でもあると言われています。
過剰投与では頭痛や吐き気など副作用も多くなり、また乳がんや血栓症のリスクも増します。
ただし、この数値は血液1ml中の値であることから体重が関係したり、他の要因で血中濃度が上がらないことも考えられます。そこを踏まえて、頭痛やバストの成長痛などを考慮した上でサイズを決める必要があります。
クリマラパッチのメリット・デメリット
- クリマラパッチのメリット
・デポー注射と同等の効果、血中濃度の安定性は注射より上
・肝臓への負担が少ない、ゆえに血栓症のリスク低
・パッチは7日間貼りっぱなしで管理が楽
・吸収率が注射に次いで非常に高い
・効果と安全性のバランスが最高レベル - デメリット
・シールによるかゆみ、かぶれが出る場合がある
・入浴や運動により7日間もたずに剥がれてしまう
・高価、在庫切れで希望サイズが手に入らない場合がある
女性ホルモンである以上、健康リスクは他のピル同様にありますが、天然成分であることから分解されやすくスーシーやダイアンのように副作用は強くありません。
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経口ピルの長期摂取でリスクが高まる血栓症 "男の娘"の女性ホルモン投与による「女性化」「女体化」には、大きなリスクが存在 ...
女性化には黄体ホルモンのセット使用が必須な理由
MTFがクリマラやプレマリン/プレモンの卵胞ホルモンだけを摂取しましても、男性ホルモンが存在すれば女性化は限定的です。
特にバストの成長は、男性ホルモンに特に強く影響され、テストステロン値が高いと邪魔をされて大きくなりません。この状態で、どんなに女性ホルモンを増やしてもバストは大きくならないとされています。
そこで必要になってくるのが男性ホルモンを抑え込むことで、これは黄体ホルモンが担当しています。純女性にも、身体の中にはわずかに男性ホルモンが存在します。
テストステロンの基準値
男性 277~1111 ng/dl
女性 16~86 ng/dl
女体化のためには、75ng/dl以下になることが望ましい
テストステロン値を純女性と同じ数値へと落とす必要があります。これが、75ng/dl以下となります。
ちなみに、黄体ホルモンでテストステロン値を落としただけで、卵胞ホルモンも男性ホルモンも低い値のままですと、更年期障害と同じ症状となり、頭痛、倦怠感、多汗、冷え性、吐き気、めまいなどの体調不良が出てきますので注意が必要です。
男性ホルモン抑制効果が最も強力なホルモン剤
黄体ホルモン剤の中で、最もテストステロンを抑える効果が高いのが、スーシーやダイアン、アンドロキュアに含まれている「酢酸シプロテロン」です。「プロベラ」の12倍の抑制効果があり、使用すれば全てのMTFが完璧な女性化乳房を手に入れることができるとされています。
ただし、酢酸シプロテロンは肝機能障害と血栓症のリスクが極めて高く、医学的にも6ヶ月以上の連続服用は禁止されているくらいですので、一時的に短期間の使用にとどめるべきです。いわゆるチートと言われるやつで、短期間で一気に男ホルを下げて後はマイルドなプロベラやマレフェに切り替えて維持するという使い方です。
なお、酢酸シプロテロンを使用する場合には、必ず短期間で3ヵ月以内の血液検査を受けて肝機能を監視しておくべきです。
多くのMTFに利用されるマレフェ
黄体ホルモン剤は酢酸シプロテロンの他には選択肢がありません。また、経皮吸収タイプも「プロゲステロンクリーム」(市販)があるくらいで、処方薬では他に見当たりません。すると、経口薬のプロベラ&マレフェしか選択肢が無いのでした。
マレフェMTFはプロベラのジェネリックであることから、価格も安く1/3ほどでリーズナブルに入手が可能です。このため、初心者からベテランまで多くのMTFに愛用されています。
マレフェの男性ホルモンの抑制効果は、天然ホルモンの20~50倍と高いのですが、ゆっくりと下がっていくために身体への負担は少なく、長期服用に向いているホルモン剤でもあります。先に示したように、酢酸シプロテロンで短期間に一気に男ホルを抑制した後に、マレフェで抑え込みを維持するという使い方もアリです。
ちなみに黄体ホルモンは、MTFには作用する臓器が無い(子宮や卵巣)ことから、男ホルを抑え込む以外に女性化にはほとんど寄与しません。が、妊娠を継続するホルモンで妊娠期にバストが大きくなるのはこのホルモンの影響ですので、乳腺の発達によるおっぱいの張りや成長痛が関係してきます。
マレフェの半減期は、
- メドロキシプロゲステロン酢酸エステル 12~17時間
この血中半減期に合わせて服用します。
1日2.5~15mg(0.25~1.5錠)を1~3回に分割し経口投与します。(1錠は10mg)
・ピルカッターで割線から半分に割り、1/2錠を12時間おきに服用(10mg/day)
・マレフェはプロベラに比べて崩れやすいので注意
安全と言われるマレフェにもある副作用
男性ホルモン「プロゲステロン」の低下による副作用がメインです。
- 頭痛、吐き気、倦怠感、眠気
ホルモンバランスが崩れることで起こります。1ヶ月ほどで身体が慣れてくれば、バランスが安定して収まることで気にならなくなります。1ヶ月以上、いつまでも続く場合は過剰摂取になっている可能性があるため、服用量を調整する必要があります。 - 生殖能力低下と精子形成障害
半年以上の長期服用で、精液が透明になり精子が生産されなくなり、精子の機能に影響が出ます。性欲が減退します。 - 麻酔作用(眠気)
弱いですが麻酔作用があり、睡眠が取れているのに昼間に眠いことがあります。 - 精神的な不安定
倦怠感や疲労感が起こりやすく、うつ病になる可能性があります。生理前~の女性と似たPMSのような精神状態になることがあり、感情の起伏が激しくなります。 - 抗アルドステロン作用
アルドステロンは副腎皮質ホルモンの一つで体内の水分量を増やす働きがあります。結果として女性のようにむくみやすくなります。体液量、血液量が増えるので高血圧に注意する必要があります。また、水分が増えた分の体重が増えます。 - 便秘
水分を溜め込むため腸内の水分吸収量が増え、女性並みに便秘になり易くなります。 - 食欲増進作用
黄体ホルモンは妊娠のためのホルモン、そのため出産のため脂肪を蓄えようとして食欲が増します。とにかくお腹が空きます、食べ過ぎに注意しましょう。マレフェは比較的、この作用は少ないとされています。 - 基礎体温の上昇
黄体ホルモンは基礎体温を上げることから、睡眠との関係で深い眠りが得られないことがあります。寝ているのに昼間眠い、などがある場合には服薬時刻と入眠時刻を4時間以上あけるなどの対策が必要です。
できれば、女ホルを始めたばかりでは医療機関で血液検査を受けて、「女性ホルモン値」「男性ホルモン値」「肝機能障害」を3ヵ月ごとにチェックしていくことをオススメいたします。年に1回の健康診断でも肝機能は調べられますが、やはり1年間検査をしないのは異常値が出た際の対応が遅れることから、リスクが高いと思われます。
注意ポイント
本ページに記載されている内容は安全を保証するものではありません。また、記載内容によるいかなる責任も負いかねますのでご了承ください。