生活に欠かせないリチウムイオン電池
今や、身の回りを探してみてもリチウムイオン電池を使っていない製品は無いくらいに、ほぼ全てと言ってもいい携帯型の電動ガジェットにはリチウムイオン電池が使われています。
スマホは言うに及ばずタブレット、モバイルバッテリーに携帯型扇風機、イヤホン、懐中電灯に携帯型ゲームや紛失防止タグもそう、携帯型掃除機に電動自転車と結構大きな物まで数え上げたらキリがありません。それだけ、生活に密着しているわけです。
誰もがこの中でも1つや2つは持っているはずですし、小型の電動ガジェットに多く搭載されていることから、バッグに入れて持ち歩くことも多いと思います。
そんな生活には欠かせなくなっているリチウムイオン電池ですが、最近ニュースなどで発火や爆発事故が頻繁に報じられています。
一般的には製品を落としたりしてリチウムイオン電池内部が傷ついていたり、ネット通販等で粗悪な安い製品を購入した場合に発火・爆発事故は起きるようですが、きちんと認証を受けた電気用品安全法(PSE法)に基づく「PSEマーク」が付いているものでも、その構造からメーカー正規品でも安心はできないようです。
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リチウムイオン電池はどうして発火するのか
趣味から仕事までカメラを扱うことから、ちょっと集めてみたところカメラ関連機材は全てリチウムイオン電池でした。また、その全てが中国製でMade in Japanは今の時代は皆無です。
少し前までは、フラッシュはニッケル水素のエネループを使用していましたが、黒いプロモデルでも容量は2,500mAhでイベント撮影では1日持たないことから、これも最近ではスタミナのある高容量のリチウムイオン電池へと変わています。
PC周りもざっと見回せば、キーボード、トラックボール、タッチパッド、と直接PC本体とケーブルで繋がっていない製品には、全てに充電端子がありリチウムイオン電池が入っています。
では、なぜこのリチウムイオン電池が危険なのでしょうか?そんな危険な物が、生活に密着するところに使われているのでしょうか。
リチウムイオン電池は普通に使っている限りにおいては、基本的には安全です。またリチウムは原子量が小さく化学的に高いエネルギーを保持できるため、エネループなどのニッケル水素と比較して小型軽量化ができることから爆発的に普及して置き換わりました。
この高エネルギー密度というメリットの引き換えとして、リチウムイオン電池には熱暴走による発火リスクがあります。発火や爆発は、電池内部の正極と負極のショート(短絡)によって起こります。
ショートした瞬間に大電流が流れて発熱、内部温度が100℃を超えると、電池内部の電解液が分解し水素、メタン、エタン、エチレンなどの炭化水素系の可燃性ガスが発生・膨張します。約200℃に達すると正極から酸素が放出され、そこに火種と可燃性ガスが合わさることで一気に発火や爆発となります。
ガスの中には一酸化炭素(CO)やフッ化水素(HF)などが含まれていますので、吸い込むと人体にも有害で危険ですので気をつけましょう。
なぜショートするのか、それは落とした衝撃で内部の電池に傷が付いたり、製造時の管理が甘いと内部に金属片が混入したり、傷ついた電池が使われてしまうことがあります。これで正極と負極が繋がってしまうと、ショートして発熱します。
また電池が古くなりますと、負極の集電体である銅が溶け出しデンドライト(針状結晶)が形成され、これが正極と負極を隔てているセパレーターを突き破ります。これでショートがおきてガスが発生し、電池が膨らむというわけです。
この電池が膨らむ状態は、発火の一歩手前でかなりヤバいので、一刻も早く交換しましょう。
リチウムイオンの普及の加速で廃棄量増加という課題
これからは車もガソリン車からEVへと緩やかに普及していくと想定され、社会全体のリチウムイオン電池の総量は確実に増えていきます。これらの電池が10〜15年ほどで次々と寿命を迎えてきますので、いずれ大量廃棄が避けられない時期がやってきます。
廃棄の難しさの本質は、電池内に残存するエネルギーによる発火リスクです。適切に放電処理されていない電池は、リサイクル工程や運搬中に衝撃を受けると、火災を引き起こす危険性があります。
これまでも、清掃車が中から燃えたり、清掃工場が火災になり数年ゴミが収集できないなど、生活に支障を及ぼすようにもなってきています。そのため、専門的な知識と厳格な管理体制に基づいた処理が不可欠となります。
以前は、スーパーや家電量販店でも乾電池と一緒に充電池の回収を行っていましたが、現在では電池回収は乾電池のみで充電池の回収を中止したり、持ち込みを制限しています。
これは、リチウムイオン電池を採用する製品が増え、膨張した電池や落として破損したモバイルバッテリーを持ち込む人が急増したためです。店舗スタッフが判断できずに何でも受け容れた結果、バックヤードで発火するなどの事故が発生しています。
回収Boxに入れられた電池が発火した場合、その責任は店舗にあるため、この火災リスクを回避するために回収を停止するケースが増えているようです。
またモラルのない人物が、ライターや使い捨て電子タバコなどのゴミを捨てるケースがあり、仕分けの手間と危険性が増したことから回収Boxを撤去し、電池回収自体を取りやめる流れになっています。
では、これだけ広く製品に使われているリチウムイオン充電池ですが、どのように処分したら良いのでしょうか。
リチウムイオン電池の廃棄はJBRC

そこで今回、新しく特小原付を購入して壊れているPanasonicの電動アシスト自転車を廃棄するにあたり、いろいろと調べてみました。
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まず、オムロンのuPS(無停電電源装置)のように、メーカーが無償で回収しているケースです。ところがPanasonicでは、電動アシスト自転車のリチウムイオンバッテリー回収は行ってはいないようです。
そこで、「一般社団法人JBRC」へのリンクが貼ってあり、この組織が回収を行うためそこへ出してくださいとありました。最近、充電池ではこの回収ルートが確立しつつあるようです。
協力店/自治体へ持ち込めば、ここが回収を行うようです。回収対象電池はリサイクルマークの入っている3種、ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池の小型充電式電池となります。
うちの近所でこの協力店を探したところ、コジマが近くにありました。そうしますと、古いエネループ(SANYO時代のもの)も大量にあるのですが、これもこの回収対象ということになります。
ただ、このJBRCで回収しているのは会員企業製の小型充電式電池のみであり、
- ノーブランドのバッテリー
- 膨張した電池
- ラミネート型リチウムイオン電池
- 非純正バッテリー
これらの回収は行わないということです。
つまりは、この「Zepath」のような中国ノーブランドのリチウムイオン電池は回収の対象では無い、ということでリサイクルへは回らないとなります。ちなみにこのZepathの単三形リチウムイオン電池は、PSEマークがありません。
この電池はAmazonが販売していたのですが、Amazonは会員企業に名を連ねているのですが、果たしてどうなのでしょうか?
といったように、リチウムイオン電池のリサイクル回収では、判らないことだらけです。
課題山積みのLi-ion充電池の回収
あれ?ということは、特小原付の販売者はLIBEROTAでこのJBRCの参加企業ではないことから、これが10年以上経ち古くなり壊れた時には、このリチウムイオン電池は処分できないってことでしょうか。
10年後にはまた、状況は変わっているとは思うのですが。
とにかく、リチウムイオン電池は発火・爆発をすることがあることから、取り扱いには注意をしなければなりません。スマホやモバイルバッテリー、携帯型扇風機など手に持つものは特に落とさないように注意が必要です。
現在、発火しにくいリチウムイオンバッテリーで半固体電池が出始めてはいますが、置き換わるのには時間がかかります。というか、今これだけのリチウムイオンバッテリーの製品が稼働しているのですから、これらもいつか処分する日が来るのです。
これをどのようにしたら、安全に適切に処分ができるのかが判りにくく、全国での統一基準と方法が望まれます。有用金属(リチウム・コバルト・ニッケル)は、貴重なリサイクル資源で、都市鉱山でもあります。
リチウムイオンバッテリーの回収は自治体任せで、市区町村の回収体制が製品の増加に追いついていない現状があります。
- 処分業者や設備が無く、焼却・埋立・長期保管している自治体がある
- 破損、膨張した電池の安全な保管方法が確立していない
- リチウムイオン電池の混入が多く、知識が無く分別が追いつかない
このことから、回収は「資源有効利用促進法」により義務づけられたのですが、回収しても処理できない自治体が存在しています。このため、せっかく回収されてもリサイクル率が低く、捨てられてしまっている現状があります。
自治体によっても回収ルールが違うことも判りにくくしている要因ですので、ここは国が主導して十分なリサイクル体制を構築していくべきではないでしょうか。
リチウム、コバルト、ニッケルなどは希少で重要な国家の戦略資源ですので、国主導で設備投資とルールの厳格化を行う必要を認めます。ただのゴミではないのです。


